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論文

三輪 治生先生(センター病院・講師)の論文が掲載されました

Paper Information

Simultaneous bridging and antegrade stent-in-stent placement via endoscopic ultrasound-guided hepaticogastrostomy using novel multi-hole metal stents

Authors

Haruo Miwa, Hiromi Tsuchiya, Hiroki Sato, Ritsuko Oishi, Shotaro Tsunoda, Kazuki Endo, Yuichi Suzuki, Shin Maeda

Journal

Endoscopy. 2026 Mar;58(S 01):E125-E127.

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A

Abstract

背景と目的:内視鏡的超音波ガイド下肝胃吻吻合術(EUS-HGS)は、ブリッジングおよび順行性ステント留置術と組み合わせて使用されてきましたが、被覆されていない金属ステントは腫瘍の侵入や開存性の制限に悩まされることが多いです。本稿では、新たに開発された5.9 Frスリムデリバリーシステムを備えた多孔金属ステント(HANAROSTENT Biliary Multi Hole Benefit)を使用し、同時ブリッジングおよび順行性ステントインステント留置を実現する新しいEUS-HGS技術を報告します。

方法:進行胆嚢癌による肝門部胆道閉塞および十二指腸閉塞を伴う67歳女性に対し、最初のドレナージ法としてEUS-HGSを選択しました。19ゲージ針で穿刺後、ガイドワイヤーを総胆管と右前枝にそれぞれ挿入。最初の多孔金属ステント(6mm×6cm)を右肝内胆管から左肝内胆管へのブリッジングステントとして留置しました。次に、ガイドワイヤーを最初のステントの側孔(side hole)を通して総胆管へ進め、バルーン拡張後、2つ目の多孔金属ステントを順行性ステントとして側孔から挿入し、部分的なステント内ステント留置に成功しました。

結果・結論:最後にプラスチックステントを肝胃吻合路に留置しました。多孔金属ステントを用いた同時ブリッジングおよび順行性ステント内ステント留置によるEUS-HGSの報告はこれが初めてです。この手技は、十二指腸狭窄を伴う肝門部胆道閉塞に対して、長期の開存性をもたらす可能性があると考えられます。

三輪 治生先生のコメント

近年Boston scientific社より発売されたHANAROSTENT Multi Holeは,多孔式フルカバーの特徴を活かして肝門部胆管狭窄への使用報告が増えてきています.特に5.9Frの細径デリバリーに改良された「Multi Hole Benefit」は,EUS-HGSルートから挿入可能であり,EUS-HGSと組み合わせてAntegrade stentingや左右肝管のBridgingにも用いられています. このたび,Bismuth IIIaの肝門部胆管狭窄に十二指腸浸潤を伴った胆嚢癌の症例に対して,BridgingとAntegrade stentingを同時に施行した症例を経験したため報告させていただきました. 複雑な手技のため手順を以下に示します. 1.EUS下にB3を穿刺し,GWを留置 2.Unevenカテーテルを挿入し,狭窄を通過して右前枝および総胆管に2本のGWを留置 3.前枝から左肝管にかけてMulti Hole Benefit 6mm 6cm(SEMS①)を留置 4.SEMS①のside holeよりGWを通して,REN 6mmで拡張 5.Side holeを通してSEMS②を総胆管から左肝管にかけて留置 6.左肝内胆管にType ITを留置 これまでセンター病院で行ってきたinterventional EUSの中でも最も複雑な処置でしたが,術者の土屋先生の技術や肝胆膵Gスタッフの尽力により合併症無く完遂することができました.2025年はiEUS80件(うちHGS関連50件)を全例成功することができ,論文として15編を報告しています. 今後も,患者さんに適切かつ安全な治療を行えるよう前進して参りたいと思います. 本報告に際してご協力いただいた皆様,ご指導いただきました森本先生,前田先生に深謝申し上げます.

三輪 治生