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症例報告

遠藤 和樹先生(センター病院)の症例報告が掲載されました

Paper Information

Successful Stepwise Endoscopic Ultrasound-Guided Cyst Drainage for a Giant Infected Hepatic Cyst: A Case Report

Authors

Kazuki Endo, Haruo Miwa, Hiroki Sato, Yuichi Suzuki, Hiromi Tsuchiya, Shin Maeda

Journal

DEN Open. 2026 Jan 19;6(1):e70286.

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A

Abstract

背景と目的:巨大肝嚢胞による胆管閉塞および胆管炎に対し、外科的手術や経皮的ドレナージが検討されますが、嚢胞が血管や胆管を強く圧排している場合、経皮的穿刺は誤穿刺のリスクを伴います。本報告では、そのような困難症例に対し、超音波内視鏡(EUS)ガイド下での段階的なドレナージを行い、良好な経過を得た症例を提示しました。

方法:肝嚢胞感染を合併した巨大肝嚢胞に対し、初回治療としてEUSガイド下肝嚢胞ドレナージを選択。嚢胞の縮小に合わせて段階的に処置を進めるステップバイステップのアプローチを施行しました。

結果・結論:EUSを用いることで、介在する血管や胆管を回避しながら安全に嚢胞内に到達し、効果的なドレナージを行うことができました。巨大感染性肝嚢胞に対するEUS治療の報告はまだ限られていますが、本症例のように周囲臓器への圧排が強い症例においては、低侵襲かつ安全な代替療法となり得ることが示唆されました。

遠藤和樹先生のコメント

今回,巨大肝嚢胞による胆管炎に対してERCP治療を行った後,巨大肝嚢胞感染を合併した症例を報告させていただきました. 胆管を高度に圧排するほどの巨大肝嚢胞は,私自身初めて経験する病態でした.感染性肝嚢胞に対しては一般的に経皮的ドレナージが選択されますが,本症例では嚢胞が血管や胆管・胆嚢を強く圧排しており,経皮的穿刺による誤穿刺のリスクが懸念されました. そのた���,本症例ではEUSガイド下肝嚢胞ドレナージを選択しました.巨大感染性肝嚢胞に対するEUS治療の報告は限られており,初回ドレナージ方法や,嚢胞が縮小した後の最終的な治療方法について試行錯誤を要しましたが,結果として良好な経過を得ることができました. 本報告が,今後皆様の診療の一助となれば幸いです. 最後に,本症例の治療にご協力いただいたセンター病院の先生方,治療を受けてくださった患者様,ならびに論文指導を賜りました三輪先生,前田先生をはじめとする共著者の先生方に深く御礼申し上げます.

遠藤和樹