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論文

鈴木 悠一先生(センター病院・助教)の論文が掲載されました

Paper Information

Laser ablation for tumor ingrowth of the bridging stent via the endoscopic ultrasound-guided hepaticogastrostomy

Authors

Yuichi Suzuki, Haruo Miwa, Kazuki Endo, Ritsuko Oishi, Hiromi Tsuchiya, Manabu Morimoto, Shin Maeda

Journal

Endoscopy. 2026 Mar;58(S 01):E92-E93.

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A

Abstract

背景と目的:悪性肝門部胆管狭窄(MHBO)に対し、超音波内視鏡下肝胃吻合術(EUS-HGS)を介したブリッジングステント留置は、経乳頭的ドレナージが困難な症例において有用な選択肢です。しかし、腫瘍の増殖(ingrowth)によるステント閉塞(RBO)に対する再介入(re-intervention)戦略はまだ確立されていません。本報告では、EUS-HGSルート(trans-ESCR)を介して、ステント内の腫瘍増殖に対しレーザー焼灼術を施行した新しい治療法を提示しました。

方法:膵頭十二指腸切除後の乳頭部癌再発によるBismuth IIIa型狭窄を呈した60代男性。すでにEUS-HGSとブリッジングステントが留置されていましたが、腫瘍のingrowthにより閉塞。胆道鏡(eyeMAX)を用いて閉塞部位を確認後、Holmium:YAGレーザー(エネルギー 0.8 J、周波数 12 Hz)を用いて、EUS-HGSルートから経皮的・経乳頭的アプローチを介さずに直接腫瘍を焼灼しました。

結果・結論:レーザー焼灼によりステント内の再開通に成功し、胆道鏡および胆管造影で開存を確認しました。追加のステント留置を行うことなく再ドレナージが完了し、術後2〜3ヶ月の開存が得られました。本手技は、複雑なドレナージが行われている肝門部症例の再介入における、低侵襲で有効な治療選択肢となり得ることが示唆されました。

鈴木悠一先生のコメント

高度分断の肝門部胆管狭窄に対して複数本の金属ステント(uncovered SEMS)を留置した場合のre-interventionは,内部にplastic stentやSEMSを更に追加する選択肢がありますが,特にSEMSを重ねていくと段々re-interventionがきつくなってきます….腫瘍のingrowthによるSEMS閉塞に対して経乳頭でのERCPにおけるレーザー焼灼やラジオ波焼灼術などが少数例報告されておりますが,今回はtrans-ESCR(EUS-HGSルート)でSEMS内部のingrowthに対するレーザー焼灼を試み,ステントを追加することなく再開通が得られた症例を報告させて頂きました.ステント追加せずに2-3か月の開存が得られており,EUS-BDを含む複雑なドレナージを行っている肝門部症例のre-interventionにおける一つの治療選択肢を示すことができたかと思っています. 今回,センター病院ではレーザー機器を使用する機会を与えて頂き,その準備や管理において色々と奮闘する事もありましたが,結石破砕以外の面でも本症例のようにEHLではできない治療ができ,大変ありがたく思います.最後に,ご指導頂いた三輪先生,センター病院で共に闘う仲間達,前田教授,そして何より患者様に心より感謝申し上げます.

鈴木悠一