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論文

池田 良輔先生(附属病院・助教)の論文が掲載されました

Paper Information

Proton Pump Inhibitor-Induced Fundic Gland Polyps With Massive Bleeding Regressed on Alternative Histamine 2 Receptor Antagonist Therapy

Authors

Ryosuke Ikeda, Hiroaki Kaneko, Hiroki Sato, Yuto Matsuoka, Tomomi Hamaguchi, Aya Ikeda, Yoshihiro Goda, Soichiro Sue, Kuniyasu Irie, Shin Maeda

Journal

DEN Open. 2026 Jan 15;6(1):e70273.

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A

Abstract

背景と目的:プロトンポンプ阻害薬(PPI)の長期服用は胃底腺ポリープ(FGP)の誘発に関連することが知られています。FGPは一般に良性ですが、そこからの大出血は極めて稀です。本報告では、抗凝固療法中にPPI誘発性FGPから大量出血を来した症例と、H2受容体拮抗薬(H2RA)への切り替えによる治療経過を提示しました。

方法:抗リン脂質抗体症候群のためワルファリンとPPIを服用していた46歳男性。多発・増大したFGPを認めていましたが、意識消失を伴う大量出血を来し受診。緊急内視鏡検査の結果、増大したFGPからのoozing(じわじわとした出血)が確認されました。PT-INRの是正で止血後、再発防止のためPPIを中止し、代替療法としてH2RAを選択しました。

結果・結論:H2RAへの変更後、2ヶ月後および6ヶ月後の経過観察内視鏡において、FGPの著明な自然退縮が確認されました。本症例は、抗凝固療法中の患者においてPPI誘発性FGPが重大な出血源となり得ること、およびPPIの中止が困難な場合の代替としてH2RAへの変更がFGP退縮に有効な選択肢であることを示唆しています。

池田良輔先生のコメント

今回増大したPPI関連FGPからの大量出血した症例を報告致しました. FGPは基本的に良性病変であり,最近PPI/P-CAB内服による反応性に増大する事は知られておりますが,そこまで問題を起こす事は少なく経過観察する事も多いのではないでしょうか. 今回ワーファリン内服中の患者が増大したPPI関連FGPから大量出血を来し,PT-INR是正で対応した症例を経験致しました.PPI関連FGPの治療としては,PPIを中止するという事は多く言われていますが実臨床では止めたくてもなかなか止められない患者が多いのも事実です.そこで今回H2RAに変更したところ徐々に自然退縮を認め,H2RAへの変更も有効な選択肢である事が示唆されました. PPI関連FGPはほとんどが無症状ですが,抗凝固薬を内服している患者では稀に出血する事がある,またPPI中止だけでなくH2RAへの変更も選択肢である事を知って頂けましたら十分かと思います. 最後にいつも投稿にあたりご指導頂いております前田教授に深謝申し上げます.

池田良輔