Paper Information
Cholangioscopy-guided laser lithotripsy alongside a plastic stent for common bile duct stones after total gastrectomy
Authors
Ryo Soma, Haruo Miwa, Kazuki Endo, Ritsuko Oishi, Yuichi Suzuki, Hiromi Tsuchiya, Manabu Morimoto, Shin Maeda
Journal
Endoscopy. 2026 Mar;58(S 01):E59-E61.
A
Abstract
背景と目的:胃全摘後の再建腸管を伴う症例や巨大結石に対するERCPは、技術的に極めて困難な課題です。特に胆管の屈曲が強い場合、胆道鏡(POCS)の操作性が著しく制限されます。本報告では、プラスチックステント(PS)を併用することで胆道鏡の操作性を向上させ、安全に完全採石に至った新しい手技を提示しました。
方法:胃全摘後の総胆管結石を認めた症例に対し、まず7-FrのダブルピグテールPSを留置し、胆管を直線化させました。その数日後、留置したPSの脇(alongside)に細径胆道鏡(9-Fr eyeMAX)を挿入。PSによる胆道の直線化と支持性を利用して結石へのアプローチを容易にし、ホルミウムYAGレーザー(LithoEVO)を用いて砕石術を施行しました。
結果・結論:PSを併用することで胆道鏡の操作性が劇的に向上し、巨大結石を確実に破砕・除去することに成功しました。また、PSの存在は胆道内の過剰な圧力上昇を防ぎ、術後胆管炎の予防にも寄与しました。本手法(モノレール法)は、再建腸管を伴う困難な胆石治療において、有効かつ安全な戦略となり得ることが示唆されました。
相馬亮先生のコメント
今回胃全摘後の総胆管結石に対して,PS留置下で胆道鏡を挿入し完全採石に至った症例を報告させていただきました.
術後再建腸管や巨大結石はERCPにおける困難症例の一つです.胆道鏡の登場により巨大結石の治療選択肢が増えましたが,術後再建腸管では結石の正面視が困難で治療に難渋することも多いです.本症例ではPSを留置したまま胆道鏡を挿入することで,胆道の直線化による操作性の向上,過剰な胆道内圧上昇の予防に寄与すると考えました.新規デバイスと既存のデバイスの融合で新たな知見が得られ,より安全で確実な治療に結び付くことは消化器内視鏡の醍醐味であると再認識いたしました.
ERCPにおいて胆道鏡や小腸鏡を要す症例では人手と時間がかかり,その分チームワークがより重要であると日々感じております.本症例も例外ではなく,そういった症例で経験したことを,私にとって初投稿となる論文で報告することができ本当に嬉しく思います.
投稿にあたり根気強くご指導いただきました三輪先生をはじめ,センター病院の先生方,前田教授,森本先生に深謝申し上げます.
(相馬亮)