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論文

西尾 匡史先生(センター病院・助教)の論文が掲載されました

Paper Information

Short- and Long-Term Outcomes of Endoscopic Resection for Serrated Lesions in Patients With Ulcerative Colitis: A Retrospective Exploratory Study

Authors

Masafumi Nishio, Kingo Hirasawa, Ryosuke Kobayashi, Kingo Hirasawa, Shin Maeda

Journal

Dig Endosc. 2026 Jan;38(1):e70089.

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A

Abstract

背景と目的:潰瘍性大腸炎(UC)患者における鋸歯状病変(SL)のマネージメントは、それが通常の(散発性)病変なのか、あるいは炎症に関連した腫瘍(colitis-associated neoplasia)なのかを区別することが困難であり、臨床上の課題となっています。本研究の目的は、UC患者に発生した鋸歯状病変に対する内視鏡的切除術(ER)の短期および長期予後を評価することです。

方法:UC患者において内視鏡的切除が行われた鋸歯状病変を対象とした後方視的探索的研究を実施しました。切除の完全性、再発率、および長期的な経過を詳細に解析しました。

結果・結論:UC患者における鋸歯状病変に対する内視鏡的切除は、手技として許容される成功率と安全性を示しました。しかし、一部の病変においては再発や病勢の変化に注意が必要であり、慎重な経過観察が求められることが示唆されました。本研究の結果は、UC併発鋸歯状病変に対する適切な治療戦略を構築するための重要な基盤となります。

西尾匡史先生のコメント

本論文は,潰瘍性大腸炎(UC)に併発した鋸歯状病変の内視鏡治療の予後を検討した研究です. マニアックすぎる話題ですが,実臨床ではその取り扱いで悩むことが多い問題です. 通常の鋸歯状病変として扱ってよいのか,はたまたUC関連腫瘍として扱うべきなのかなど,マネージメントが全く定まっていない領域です. 本研究では,UCの鋸歯状病変も内視鏡的切除が許容されるものの,その中には注意して経過観察するべき病変もあることを示しました. 「切除できるものはまず内視鏡切除して経過観察でもよいのでは?でも炎症関連かもしれないから注意が必要な病変はありそうだよね」と思いながら診療していましたが,それをデータとして少し示せたと思います. いつもたくさんの症例をご紹介いただくIBDセンターの先生方,論文のご指導いただきました平澤欣吾先生,前田愼教授に深く感謝申し上げます.

西尾匡史