お知らせ一覧に戻る
論文

小林 亮介先生(センター病院・助教)の論文が掲載されました

Paper Information

Feasibility of pancreatic duct stent placement before endoscopic submucosal dissection for superficial duodenal neoplasms adjacent to the papilla

Authors

Ryosuke Kobayashi, Haruo Miwa, Kingo Hirasawa, Hiroki Sato, Ritsuko Oishi, Shotaro Tsunoda, Kazuki Endo, Yuichi Suzuki, Hiromi Tsuchiya, Shin Maeda

Journal

Clin Endosc. 2025 Dec 31.

PubMedで見る
A

Abstract

背景と目的:十二指腸の浅表性非乳頭部上皮性腫瘍(SNADET)に対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)は、特に主乳頭近傍の病変において技術的にも困難であり、偶発症のリスクが高い。本研究の目的は、主乳頭近傍のSNADETに対する、ESD施行前の予防的膵管ステント留置を組み合わせた治療戦略の有効性と安全性を評価することを目的とします。

方法:2014年3月から2023年9月の間に、主乳頭近傍(10mm以内)のSNADETに対し、予防的膵管ステント留置後にESDを施行した11例を対象に後方視的解析を行いました。

結果・結論:全例(100%)で一括切除に成功し、R0切除率は90.9%であった。ステント留置からESDまでの期間の中央値は2日であった。ESD中のステント脱落は認められず、全例でクリップを用いた完全な縫縮が可能であった。偶発症として、遅発性出血が1例、術後膵炎が2例に認められた。本手法は、主乳頭近傍のSNADETに対する有効な治療戦略となり得るが、術後膵炎のリスクは依然として存在し、さらなる予防策の検討が必要であることが示唆されました。

小林亮介先生のコメント

十二指腸ESDは,皆様もご存じのとおり偶発症のリスクが高く,技術的難易度��高い内視鏡治療の一つです.なかでも,十二指腸主乳頭近傍病変に対するESDでは,乳頭浮腫による術後膵炎や,ESD潰瘍創部の縫縮時に乳頭を巻き込むリスクが問題となります. そこで,これらの偶発症予防を目的として,我々は十二指腸主乳頭近傍病変に対するESDに際し,まずERCPにより膵管ステントを留置し,数日後にESDを施行する治療戦略をとりました.今回は,本手法を用いた11例の治療成績について報告しております. ERCPによる膵管ステント留置および十二指腸ESDはいずれも高い専門的技術を要する手技であり,本治療は各専門グループ間の緊密な連携があって初めて成立するものと思います. 診療にあたっていただいた肝胆膵グループの先生方,管グループの先生方,また論文執筆をサポートいただいた三輪先生,平澤先生,前田教授に感謝申し上げます.

小林亮介